=寝ても覚めても=【完】
壁時計を見上げると、自分の退勤時間が近づいている。
同じくそれに気がついた主は、
「仁科、ありがとう。お疲れ様」
と力なく笑った。
「ちょっと僕が様子をみてきましょうか」
仁科もこの時間の経ちようは少し気になっていた。
「ああ、良いよ・・・消灯前ギリギリに、看護婦さんに頼んでみるから」
それならそちらの方がよいかもしれない。
ではまた明日、と腰を浮かせたら勢いよく部屋の扉が開いた。
「兄さん・・・!!」
息を切らしているのは主の弟だ。