=寝ても覚めても=【完】
「さっきいらして・・・これを私に・・・今度一人でお部屋に来てくれと言われたんですが、どうしたらいいんでしょう・・私、・・・」
予想は当たったが、タイミングがずれた。
思わず舌打ちが出た。
主を逃がした事よりもこの女の態度が気に入らない。
自分よりも少し年上で色気のある彼女の事を、仁科はずっと可愛いですね!と思っていた。
だが自分が思いを伝えられずにグズグズしている間に、横からかっさらわれた気分だ。
あの野郎いい加減にしとけよ。
「ここは病院だ。治療以外になにをする気なんだ」
「あ、すみません!仁科先生、こんなところでどうなさったんですか?また宇治方先生に怒られたの?」