=寝ても覚めても=【完】
「俺は可愛い甥っこを抱くけどね。俺が先になっても良いのか浩毅」
主は更にプレッシャーを与えるような事を言って、ニヤニヤと笑っていた。
「毎日顔が変わって行くのを見られるのなんて、今だけですからねぇ」
いつもは空気に徹している仁科も、独り言のように言っておいた。
味方もおらず、浩毅は泣きそうな顔をした。
主と同じ顔の浩毅を苛めるのは、少し心地よかった。
結局。
お昼寝中だった赤ん坊に触れようとした手を『ダメです!』と止められ、
『どうして俺の子供なのにダメなんだ!?』
とついうっかり言ってしまって浩毅が負けた。