=寝ても覚めても=【完】
抱きあげると、意地を張っていた父親を馬鹿にするような大欠伸だったと言う。
「あれは大物になるかもしれん。まぁ、手術なんかはもう少し成長してからだな」
一服を終えて宇治方先生が立ちあがった。
名付け親を頼まれたらしい主は、墨のついた顔をしかめていた。
「大物になれる未来が見えてきてよかった!俺も早くここを出たい」
「うーん、・・・まぁ、お前はもういいや。帰れば?」
「!?」
「!?」
主と同時に宇治方先生の顔を見た。
「俺がお前の屋敷まで回診にいちいち行くのが面倒だったんだ。もう俺じゃなくても平気そうだからいいや」