=寝ても覚めても=【完】
日曜日の今日は、仁科の嫌いな連中は休みであるらしい。
久々に中庭に出ると、待っていたように弥栄が寄って来た。
「ナオさんいなくなっちゃうんですか?」
「うん、もうすぐ退院出来るんです」
「おめでとうございます!でも寂しくなっちゃいますね・・・」
こんな風に、素直に自分も言えたらどんなにかいいだろう。
定位置になった木に寄りかかり、長椅子の二人を眺めた。
弥栄とこうやって会うのは自分も最後なのだろうな・・・と仁科は思った。
「寂しくないよ、また弥栄には会いに来る。友達になってもらいたい子がいるんだ」
「男の子ですか」