4人の嵐
唯、素敵すぎです。
『本当に〜?勿体ないよー』
お盆を持って部屋に行くと、中から多分竜さんのであろう声が聞こえてきた。
「何の話ですか?」
半開きになっているドアは両手は塞がってても足で開けられた。
『だって唯ちゃんが彼氏いないって言うからさぁ』
竜さんが唯ちゃん、って呼んだ。
何ちゃっかり親睦深めてんのよ。
なんか面白くない。
でも次の瞬間、竜さんの言葉によって、私にとったらもっと面白くなくなってしまった。
『だって唯ちゃんこんなに可愛いのにさぁ、俺だったら…』
………。
俺だったら、何よ。
私なんて可愛いなんて言ってもらったことないのに。
1ヶ月って期間は短いけど、この嵐4人は駆け込んでくる頻度がハンパないから、今ではもう気遣いもないくらい仲良し。
ずっと前から一緒にいたみたいな錯覚さえ覚える。
そして一緒に過ごす中で、私が竜さんを意識しているのは事実。
だから唯と竜さんが仲良くなるのは気が気じゃない。