線香花火【企・短】


「あっ…」



私の視界の片隅で一筋の光が地面に向って落ちたのと同時に、横でレイの落胆した声が聞こえた。


私のはまだ

まだまだ


これからが大事な所



パチパチ小さな音をたて、めいいっぱい弾ける火花


その優しい光に私は顔が緩む


だんだん大きい火だねは力を無くして小さくなり

プスプスと小さな音に変え最後のひと頑張りを魅せる


そして燃え尽きゆっくり消える火色



「ナナミは昔から上手いよね線香花火。」



満足げに燃え尽きた線香花火を見つめる私にレイは呟いた。



「線香花火だけはレイに負けない自信があるもん!」



自信満々に言う私を見て



「"だけ"って…」



ププッと噴出すレイ


あ~またお子ちゃま扱い?



ぷくぅっと膨ました私のほっぺをすかさずレイは指先で吐いて空気を抜くから



ブゥゥゥ~



空気が抜ける風船みたいに情けない音がなって

レイはまた笑ってる



…ヒドイ




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