線香花火【企・短】


去年、レイが高校の修学旅行に行ってる間に家に届いたでっかい私宛ての包み

袋を開けると中からママが縫い直してくれたテディベアより、何倍もある大きなテディベアがニッコリ顔を覗かせたんだっけ


送り状の送り主はそのお店の名前で個人名は無かったけど、すぐに"レイだ"って思った。


修学旅行から帰ってきたレイがお菓子のお土産を家にもって来て、あまり喋らないウチにそくささと帰った時確信したんだ。



「ありがとうレイ。
あの時すごく嬉しかったよ。
今も大切にしてるよ。」



私がレイに言うとハニカムように笑った。


おっきなテディベアを修学旅行で選ぶレイ


…想像できない


恥ずかしかっただろうな

それなのに

私の為に選んでプレゼントしてくれた。



「一生大切にするから。」



私は笑顔でレイに感謝の気持ちを伝えた。



「おう。
つ…次やろうぜ!
今度は負けねーかんな?」



噴出しそうな私をレイは軽く睨みながら線香花火に火をつける


次の対決が始まった




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