線香花火【企・短】


「ってナナミの罰ゲームなのに何で俺が話してんのさ?
ナナミがどうするのか教えてよ。」


「私?」


「そうナナミの将来の夢とか希望とか。」



私の夢…希望…



「ん~それがまだ全然何も見えてないの。
自分がどうしたいのか、なりたいのか。
まだ全然分からない。
高校だってみんなが行くし、親も先生も行きなって言うから、行こうかなって位で…。」



私が受験する予定の高校は、地元の子が沢山受ける普通のレベル普通の高校

何がいいとかでもなく

近いから

みんなと同じだから


そんな理由で決めた志望



レイみたいにカッコいい理由のひとつも無い



「やっぱり私まだお子様過ぎるのかな?
自分の未来も考えられないしさ。」



シワシワになっていた線香花火のピンク色の薄い紙の持ち手を伸ばしながら私は俯く



「希望が決まったてたら偉いとか大人な訳じゃないと思うよ。
ナナミはこれからまだまだ、沢山試して悩める特別な時なんじゃないかな。」



レイの優しい声が聞こえた




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