線香花火【企・短】
「これからゆっくり決めていったらいいよ。
高校に行きながらぼんやりとでも何かを感じて、自分の進む方向が見えたら挑戦してみたりすればいいよ。
それでも分からなくなる時は相談したっていい。
焦らなくても、ちゃんとナナミのやりたい事見つかるよ。」
笑顔でそう話すレイ
レイも沢山悩んだだろうな
夢と現実に挟まれて辛かっただろうな
レイだって悩んでる
私からみたら大人でしっかりしてるレイだって
自分の未来と葛藤してる
「焦らなくてもいいんだよ。」
レイにそう言われるとホッとするのは
レイだからかな…
「ありがとう。
ゆっくり考えるよ。」
私もレイに笑顔を向けた。
「さっ勝負の続きやるよっ!」
そう言ってレイは線香花火に火をつける
パチパチ音をたてる小さな花火
風に揺らされて落ちそうになりながら
限られた時間の中で精一杯の華を咲かせようと
全ての力を使う花火
私も…
私も頑張ろう
今出来る事
今だから出来る事
私なりに考えて
今を頑張ろう
『何か』を見つけた時の為に