線香花火【企・短】
横をチラッと見るとレイは自分の線香花火を見つめてる
私もその柔らかい灯を見つめる
そのうちに、力を無くし火花を散らしていた線香花火の火が消えた
灯を失い暗闇に包まれる
静まりかえった海で聞こえるのは、永遠に続く波音だけ
レイやっぱりイヤだったのかな…
だって何も言わない。
何とも言えない不安が私を襲う
やり終えた線香花火をバケツに入れたレイが静寂を破った。
「俺はいつでもナナミの側にいるよ。
ナナミを想ってる。
ナナミは何より大切だから。」
笑顔で私に言うレイ
私はホッとして思わず涙ぐむ
「ホントに?
これからも一緒にいてくれる?
もし大学行って引越したとしても、ちゃんと帰って来てくれる?」
「居るよ。ナナミに会えるなら帰るよ。
俺がナナミと居たいもん。」
そう言うとレイは私を抱き締めた。
ぎゆっとしてよしよしとなだめる様に頭を優しく撫ぜる。
温かいレイの腕の中
心地よくて
気持ちがポワポワする