線香花火【企・短】
「コレやらね?」
レイはコンビニの袋を私の前に置き中から花火セットを取り出した。
「花火!やる~!」
小さな子供用の可愛い花火セットがふたつ
それに砂遊び用の小さな赤いバケツ
子供の頃よくここで花火をした時、親にひとつづつ買って貰ってた花火セットと同じ
私は思わず嬉しくなって、花火をニンマリ眺める。
花火も嬉しいけど
レイがこの花火をチョイスしてくれた事が嬉しかった。
「てか、レイ。このバケツじゃ花火入りきらなくない?」
小さなバケツも昔砂遊びをした時のと似て居て嬉しい私は片手で持ち上げ、いつの間にか夜空にぼんやり浮んだ月の明りに照らす。
「消火できたのはこっちのビニールに捨てればいいだろ?
来年高校生でしょう。
機転をきかせましょうね。」
1人浮かれる私にレイから痛恨の一撃が入る。
ガーン…
こ…子供扱い!!
「どんだけハイペースでやる気だよ!
昔とかわらねぇなぁ、ナナミは。」
ショックを受ける私を見て、ププッっと笑い出すレイ