白×黒
【大吾side】
麗や女子達と別行動する事になった時、俺は海斗に言われるまままず工具室へと移動した。案の定京や浩介はぶつぶつと文句を言っていたが、他の男子は何も言わずに着いて来てくれた。
工具室はあまり使われていないのか少し埃っぽかった。
俺は少し咳込んだ。持病の喘息が発症しそうだったが、直ぐに海斗が背中を擦ってくれたお陰で収まった。
「ね、ねえ大くん……。ほんとに此処にあるの……?」
ふと、クラスの男子の中でも特に女々しい誠が俺にそう訊いて来た。
ああ糞……。なんでこいつこんなに白くて細ぇんだよ。目もでけぇし。女だったらモロタイプなのにな……。
そんな下らない思考が巡ったが直ぐに取り消し、俺は言った。
「絶対あるとは限らないけど、ノコギリとかはあんじゃね? 鉈とかでも使えるし。誠も探してくれるか?」
誠は「うんっ、分かったぁっ」と可愛く笑った。一瞬、こいつが相手ならホモになっても良いかも、とか思っちまった。
「じゃあ男子、頑張って武器探すぞー!」
海斗が男子にそう指示をした。俺はその言葉で我に返り、早速武器を探し始めた。思った通りノコギリやチェーンソーはあるが、流石に重くて中1の俺らじゃ扱い難い物ばかりだった。
汗も掻き、苦戦した時だった。