白×黒
突如放送のアナウンスからおちゃらけたような男の笑い声が響いた。
皆驚いてアナウンスの方へ向き直る。私もその一人だ。無償にも男の笑い声は続く。

『どーもどーも! 私はこのゲームの主催者の影といーますっ! あ、読みは『シャドウ』だよ? 間違えないでねぇ?』

……男、だとは思う。正確に言うとヘリウムガスを吸ったような可笑しな声で分からなかった。

『さーてっ、きっと皆さんは急に此処に集められてこのゲームの内容、理解してないよねぇ? そうだよねぇ? うんうん、大丈夫分かってる! だから此れから皆さんにゲームの説明をしまぁす』

ゲーム? 意味が分からない。そんなの一言も聞いてない。
皆はただ黙って放送に集中していた。

『うんうんっ、皆ちゃあんと放送を聞いてていい子だねぇ! それじゃあゲームの説明をするよぉ?』

シャドウ……影は少し息を吸い、そして先程までのふざけた口調とは打って変わって冷静に言った。

『これから君達には二つのグループに分かれて殺し合いをして貰います……』

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