神隠し
―おねーさん、屋敷にいる人達のお友達?

あっ、もしかしてこの町の子供かな?

ここへ入っていくアタシ達を見かけて、追いかけてきたとか…。

まあ大人達のように、咎めたりはされないだろう。

「えっええ…。どうしてもこのお屋敷で肝試しがしたいと言ってね。アタシはあんまり乗り気じゃないんだけど…」

―でも一緒にいるなら、同罪だ。

ぶすっとしている男の子に言われ、胸にグッサリ言葉の矢が刺さる。

「そっそうね。結局は同じよね…」

シュン…となると、ニコニコ顔の少年がアタシの頭を撫でた。

―ゴメンね。コイツ、口悪くてさ。

いや、キミも結構…。

そう思った時だった。
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