神隠し
そう尋ねると、2人の少年達はお互いの顔を見合わせ、微笑んだ。

―だっておねーさんは、お菓子をくれたから。

―俺達だって鬼じゃない。ルールは守るさ。

お菓子、ルール…。

…ああ、そうか。確かに仲間達は彼等にお菓子を…いや、『お供え』をやらなかった。

だから見逃してはくれなかったんだ…。

―早く帰りなよ。大丈夫。おねーさんは無関係なんだから。

「…そういうワケにはいかないでしょう?」

この町へ来たことは、いろんな人に見られている。

―いや、そうなんだ。お前はここには来なかった。来たのはあの6人だけだ。

「そんなことがっ…!」

思わず顔を上げて、思い当たった。

この町の人は、地元の神様を大事にしている。…ならば、そういう事実もありとされてしまうんだろう。
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