神隠し
やがて電車は駅に着いた。

好奇心に満ちた眼で歩いていく仲間達の後ろ姿を追いかけながら、周囲を見回して見た。

辺りに民家はあるけれど、田んぼや畑に囲まれていて、一軒一軒が遠い。

…交流あるのかな?

疑問に思っていると、喫茶店を見つけた仲間の1人がお昼にしようと言い出した。

そして流れるように、喫茶店に入った。

喫茶店には優しそうな二人の中年男性と女性がいた。

各々メニューを見ながら好きに注文した後、男性に思い切って話しかけてみた。

あの空き家について。

すると男性の笑顔が曇った。

どこか困り顔で、アタシ達に肝試しに来たのかと尋ねてきた。

慌てて仲間達が否定するも、信じてはいないようだった。
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