神隠し
やがて例の森の入り口にたどり着いた。

…着いてしまった。

森の入り口には1つのお地蔵さんがいた。

お地蔵さんを見ているうちに、ふと何かが引っ掛かった。

それはお地蔵さんに供えられているお水とお饅頭だ。

どちらもまだ新しい…。

ついさっき、誰かがそなえたみたいだ。

今時お地蔵さんにおそなえをする人なんて、珍しいな。

そう思いながら、森の中に足を踏み入れた。

道は土道ながらも一本道。

昔は馬でもひいていたのだろう。幅が広くて歩きやすかった。

…歩いて20分ほど経ち、アタシ達はとうとう例の屋敷の前に来てしまった。

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