君の手が奏でた夢
その日の放課後。
学校に携帯を忘れた私は
帰宅途中の道を引き返した。
教室に入ろうと
ドアに近づいたとき
中に人がいるのに気付いて
それが
音羽クンだと気付いて…。
(何してるんだろう)
そう思ってすぐ
彼が1人じゃないと分かった。
一緒にいたのは
知らない顔の女の子。
とても綺麗な
可愛い子。
ここにいちゃいけない。
逃げなきゃ。
頭にはすぐ
そんな信号が点滅した。
だけど体は
金縛りに合ったみたいで
少しも
動いてくれなくて。