君の手が奏でた夢
2人は私に気付かず
仲良さそうに寄り添って
机の上に座った
音羽クンは
すぐ側に立った彼女に
手を伸ばしてキスをした。
ぐさり。
そんな音が
胸の中から聞こえた気がする。
私がこの恋心を
上手に処理できないから?
だから神様は
こんないじわるな…
いたずらをするの?
ぽろぽろ。
涙がこぼれた。
もう携帯なんか
どうでもよくて
やっと動いた体で
一生懸命走った。
少しでも早く
少しでも遠くへ
この場所から
逃げ去りたかった。