君の手が奏でた夢
次の日。
休みたい気分だったけど
親に怒られて学校へ。
机の中に携帯を見つけて
(これさえ…)
(これさえ忘れてなかったら)
そう何度も
自分の失敗を呪った。
「雲雀…!」
痛みすぎる胸を
更に刺激する声が響く。
「音羽クン…」
ぼうっと見つめた先には
強く優しい笑顔。
眩しい存在の彼は
きっとこんな
みじめな思いを知らない。
「今度のライブ決まったんだ」
「よかったら見にきてよ」
爽やかで無邪気な笑顔。
ずるいよ。
そんな綺麗な笑顔
誰にでも向けるなんて。