君の手が奏でた夢
梅雨の明けた7月のある日
音羽クンは急に学校を休んだ。
(またライブ関係なのかな)
(それなら一言)
(教えてくれてもいいのに)
少し寂しく思いながら
放課後彼にメールを打った。
アドレスは知ってたけど
送るのは初めて。
『今日は練習だったの?』
『ノートとプリント』
『コピーしといたよ☆』
(返信…ちゃんと来るかな)
緊張と不安で落ち着かずに
送信Boxを開いて
送ったばかりのメールを
じっと見つめていたら
急に画面が切り替わった。
『着信 音羽 奏馬』
映し出された文字に
胸がどきっとする。