君の手が奏でた夢
「ダサくなんかない…!」
「ダサい訳ないよ…」
首を横に振りながら
必死にそう叫んだ。
そんなにボロボロになるまで
人を愛せることの
どこがダサいの…?
気がついたら
私は泣いていた。
「何で雲雀が泣くんだよ」
困ったように笑って
音羽クンが息をつく。
「だって…」
悲しいんだもん。
こんなに素敵な人が
『面倒』だなんて
そんな言葉で
傷つけられた事が。
大切な人に渡された
鋭利過ぎる言葉が。
傷ついた彼が
ダサいなんて言って
全てを笑って
終わらせようとしてる事が。
悲しすぎて
悲しすぎて
目の前が滲むんだ。