君の手が奏でた夢
「雲雀…」
小さな泣き声が
胸に響いた。
「大丈夫だよ」
「涙は――」
「嬉しい時も悲しいときも」
「自然と流れるものだから」
「我慢なんかしないで…?」
腕の中の髪を
そっと撫でると
音羽クンはまた俯く。
「だけどこんなの…」
「カッコ悪過ぎる」
「意地張らないで…?」
「大丈夫――」
「私からも、周りからも」
「音羽クンの顔見えないから」
「雲雀…」
音羽クンはそれから
私の胸で少し泣いて
「もう大丈夫」って
さっきより確かな声で
そう告げた。