君の手が奏でた夢
彼。
それは同じクラスの
男の子の事。
音羽 奏馬。
オトワ ソウマ。
それが彼の名前。
クラス替えのあった日から
2週間近く無断欠席してて
皆とは一人遅れて
顔を合わせたクラスメイト。
2年生になって早々
2週間も無断欠席なんて
どんな不良だろうと思ったら
とても綺麗な顔をした
背の高い男の子だった。
切れ長の目は少し鋭くて
その目を見ると
少し、どきっとした。
私みたいに
初めて彼を知った人間は
とても少数派みたいで
彼は教室に入るなり
クラス中の生徒に歓迎されて
(人気者なんだ…)
なんて
こっそり思って…。
その時は
それだけだったのに。