君の手が奏でた夢
「なんかお前恥ずかしい」
「えっ?!」
「大事に思ってるとか」
「素敵とか…」
「俺はそんな」
「立派じゃねーってこと」
恥ずかしいと言われて
私の頬は少し赤くなった。
(狙ったわけじゃ)
(なかったんだけどな…)
「でも――」
「ちょっと感動した」
「ありがとな」
彼は急に立ち上がり
視線を合わせずにそう言った。
頬が余計に熱くなっていく。
どこを見ていいか分からずに
とりあえず俯いた。
「俺そろそろ練習行くから」
「あ…うん!」
「頑張ってね!」
「おう!お前もさ…」
「そんな台詞言えるなら」
「今度ウチのボーカルの代わりに」
「曲の歌詞書いてやってよ」
「え…っ?」
突然の言葉に
思わず目が丸くなった。
それは歌詞の事じゃなくて――