君の手が奏でた夢
歌い終わると
すぐに異変に気付いた。
さっきまで騒がしかった
音楽室の空気が
しんと静かになっている。
「雲雀さん、よかったわ」
先生が笑ってそう言う。
「詩花の声きれーい」
そう言ってくれたのは
何人かの友達。
だけど
他のクラスメイトは
なんとなく
驚いているように見えた。
(声、大きすぎたかな…)
不安になって
恐る恐る席につく。
私の次の人が呼ばれて
彼女が歌いだすと
少しずつ教室は
元の騒がしさへ戻った。