―優等生乱用

「学校でも彼氏さんに見せた

顔みたいに笑顔でいればいいのに」


「そんな…

彼氏と同級生は違います」


「そうだけど…」


大塚はうーんっと唸る。

言いたい事があるなら言え。



「ｱﾝﾄﾞﾚ・ｼﾞｯﾄﾞって知ってる?」


あまりにも唐突な質問で


私は間抜けな顔でかぶりを振った。



「ﾌﾗﾝｽの有名な作家なんだよね。


俺、この人の名言が好きでさ。」



古典教師がﾌﾗﾝｽと言っている。


担当ﾐｽじゃないかと考えた。


大塚は言う。



「“作り物の自分を愛されるより、


ありのままの自分を憎まれる方がましだ”」