―優等生乱用
「新井さん、
三者面談の日程表は?」
SHR後、大塚が近寄ってきたので身構えてしまった。
「…忘れました」
正直に言うと、朝に捨てた。
「今日中に出してもらわないと日程組めないんだよねぇ」
「すいません」
「家の人に直接電話しても平気かな?」
「昼過ぎには仕事から帰ってくると思います」
「わかった。じゃあこちらのほうから電話しとく」
「お願いします」と言うと大塚は一呼吸置いてから言った。
「この前のこと、ご両親に話そうと思う」
一瞬、息が止まるかと思った。
この前の事とは秋との男女交際の事に決まっている。
「それだけはやめて!!」
声を荒げてハッとする。
周りの視線は皆、私たちに集まっていた。
しまった、ここは教室だった…。
「演習室に行こう」
天然、大塚は周りの気まずさなんて関係なしにはにかんでいた。