―優等生乱用
学校を出て、母親の車に乗り込む。
「友達いないの?」
親はそのことが気になっていたらしい。
私は小学生ではない。
「いるよ、何人か」
嘘をついた。
友達なんていないに等しい。
いらないからだ。
学校生活で友達がいなくてもやっていける。
人に引っ付き一人になるのを拒否する人間は弱い人間だ。
友達なんて必要ない。
学校は慣れ合いをする場所ではない。
だけどそれを親が望むなら…。
「それならいいんだけど…
ちょっと心配になっちゃった」
「心配する必要はないよ」
正面を見て、微笑む。
車は発進する。
あなたの娘は完璧だから。