―優等生乱用



やけに目が冴えていた。


否、うそ。


うとうとしているのに寝付けない。



ケータイで何度も時間を確認した。


何を考えているのだろう、私。




日付が変わりそうなとき

ケータイは自ら光を放ち

聴き慣れたラブソングを奏でる。



一番聴きたくって

一番聴きたくなかったメロディー。


躊躇する私に

私の指が「電話出るんでしょ?」と問いかける。



指は勝手にボタンを押した。



< 49 / 111 >

この作品をシェア

pagetop