―優等生乱用
今は試験一週間前の試験期間である。
私はカバンの中に教科書を詰め込む。
勉強する気はないが気休めである。
「新井さんも一緒に勉強する?」
声をかけてきたのは
女子たちの中心にいる大塚だった。
「いえ」
私はうつむく。
こちらに視線を移していた女子たちは
「新井さんは一人で勉強するタイプなんだよ〜」
と何を根拠にしたのか分からない事を言っている。
言わせておけばいい。
私は早足で教室から出て
廊下を颯爽と歩く。
どのツラ下げてあいつに教われと?
自尊心に欠けることだ。
そんなことで自尊心を捨てられる私じゃない。