―優等生乱用


私が“今の世界”に着いて
目が覚めたとき
私は電車の中にいた。

混雑した電車の中
私は吊革を持って立っていて
着いた瞬間吐き気がした。


窓からホームが見え
そこでは男の子が
こちらを見て必死に
走っていた。

なぜ彼は追いつこうと
しているのか。

答えは私の隣にあった。
私の隣にいた女の子は
涙ぐみながら彼に手を振っている。

どんどん彼は電車から
引き離されていく。

そして彼女は涙を流す。

電車は勢いづき
車内が揺れ
女の子は吊革に
つかまる事ができず
よろめく。


その瞬間、

彼の姿が見えなくなった。





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