忘却の勇者
出来上がったコーヒーをマグカップに注ぎ、コーズに手渡す。
ありがとうと言いながらマグカップを受け取り、ずずっと一口飲みこんだ。
香り引き立つコーヒーは、朝の目覚めに効果がある。
徐々に身体が起き始めるが、それでも頭痛が弱ることはなかった。
「頭いてぇ……」
「あ、そうそう。フロントに寄ったときコーズ宛ての手紙を受け取ったんだ」
ポケットから白い便箋を取り出しコーズに渡した。
『オレオ様のお連れ様へ』と書かれた便箋。
不審に思いつつ便箋を開ける。
その内容に、コーズは「はぁ?」と間抜けな声を上げるのだった。