忘却の勇者
「八本」
急所を貫く。
「九本」
残りの一太刀に力を込め。
「十本」
最後は右脇に、その切っ先を差し込んだ―――
オレオを幽閉している廃墟では、三十分置きの薬物投与の時間が迫っていた。
別室でポーカーをしていた男達だったが一時中断。
すぐに注射器に蛍光色の液体を入れて、オレオを隔離している部屋に行く。
扉を開けると、床に倒れ大人しくしているオレオの姿が写った。
身体の至る所に痛々しい痣ができ、衰弱しているのか男達が部屋に入ってきたのに目を瞑ったまま動かない。