忘却の勇者

「マリも魔王退治に?」


「ええ」


「え、でも、マリは人探しの旅を」


「もちろんそれもあるけど、本当の目的は違うの」


人は誰しも、秘密の一つや二つは抱えている。


もしそれが麗しい女性であればあるほど、秘密の量も質も比例していく。


無論それは、目の前にいる彼女も例外ではない。


彼女もまた、内なる秘密を抱え込み生きている。


果たしてそれはオレオの旅路を明るく照らすものなのか、はたまた暗い闇夜に染め上げるものなのか。


その事実を知ることになるのは、まだもう少し先のお話―――



< 182 / 581 >

この作品をシェア

pagetop