忘却の勇者
清々しいほどの青空。
ようやく東の賢者がいるという岬へ赴く。
準備も万端。地図も買ったから迷うこともない。
魔王討伐の有力な情報がやっと手に入る。
早朝だというのにテンションマックスなオレオに、低血圧気味のコーズはくぁっと盛大な欠伸を一つ。
オレオはうーんと背伸びをして、太陽にも劣らぬ笑顔をコーズに向けた。
「で、なんでマリも一緒に付いてくるの?」
笑顔には笑顔だが、どことなく黒い笑みだ。
「なんでって、昨晩そういうことに決定したんだよ」
「そういうことだから、よろしくね勇者様」
自分の正体もバレてるってことは、旅の目的もマリに喋ったんだな。いや、喋らされたが正解か……。
勝手に脳内で自己分析。