忘却の勇者
「んで、本当に僕達に付いてくるの?」
マリに今一度問う。
マリは満面の笑みで即答した。
「ええ。もちろん危険な旅だってことは承知しているし、覚悟もしてる」
「相手は暴虐無人な魔王軍だ。マリを守れる保証なんてないよ」
「わかってる。私だって伊達にここまで旅してきたわけじゃないわ。自分の身ぐらい自分で守るし、それぐらいの力だってある」
やけに必死だな。
昨晩コーズとマリの二人がなにを話したのかは分からないが、コーズが最後まで反対しなかったことを考えると、それ相応な理由があってのことだろう。
でなければこんな危険な旅に、女の子を巻き込むわけなどない。
マリの魔術の腕は、コーズの報告からしたらかなりの物だと言う。
戦術的に考えても、マリがいてくれた方が旅も円滑に進むだろう。
とはいえ、