忘却の勇者
まだ年端もいかぬ若者たちに、歳終えた老兵が伝えるべき言葉。
言の葉の群れが一つ一つ合わさって、次第に組み立てられていく。
アモスは射るような視線をオレオに向けると、静かに言葉を紡いだ。
「知っている」
たった一言。
けれどその一言が、世界に唯一灯る希望の光。
高ぶる興奮を、オレオは密かに噛みしめる。
高揚する気持ちを抑え、声を僅かに震わせながらオレオは問う。
「どこにあるのですか?」
「うむ。聖剣は……」
間を置く。
「聖剣は……」