忘却の勇者

鬼畜少年のレイン君。


「おまっ! うわぁああああああああああああああ!?」


急降下。否、落下。


さすがにやりすぎである。これは死んだ。


「レイン君……これはちょっと……」


寛大な心を持つ勇者様も、これには若干引き気味である。


「あ、違うんです勇者様。このハシゴは心が穢れた下衆野郎が触れると自動的に爆発するようになってるんですよ。つまり僕はコー……嘔吐物を助けたんです」


「なぜ名前を言い直したし」


思わずマリがツッコミを入れた。


無理があるすぎる言いわけ。


というか言いわけの域にすら達していない。嘘八百の戯言だ。


こんな子供騙し、オレオに通じるはずがない。
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