忘却の勇者
最終試験の内容は、
「私と闘ってもらう」
戦闘試験。
「制限時間は十分。最後まで立っていられた者を合格とする。如何なる手段を使っても構わないが……」
サイは言う。
「殺す気で挑まなければ、貴様達が死ぬことになるぞ」
試験者の足元に展開された魔法陣が、再び輝きを取り戻す。
急に発動した魔法陣。
皆足元を確認すると、先ほどの魔法陣とは構成が微妙に変わっているのに気づく。
―――転送魔法じゃない……!
刹那、魔法陣から火柱が立ち昇った。
ある者は咄嗟に魔法陣から離れ、ある者は結界を張ってこれを防ぐ。