忘却の勇者

最終試験の内容は、


「私と闘ってもらう」


戦闘試験。


「制限時間は十分。最後まで立っていられた者を合格とする。如何なる手段を使っても構わないが……」


サイは言う。


「殺す気で挑まなければ、貴様達が死ぬことになるぞ」


試験者の足元に展開された魔法陣が、再び輝きを取り戻す。


急に発動した魔法陣。


皆足元を確認すると、先ほどの魔法陣とは構成が微妙に変わっているのに気づく。


―――転送魔法じゃない……!


刹那、魔法陣から火柱が立ち昇った。


ある者は咄嗟に魔法陣から離れ、ある者は結界を張ってこれを防ぐ。

< 234 / 581 >

この作品をシェア

pagetop