忘却の勇者

まあトドのつまり。


―――ミウに土産話がたくさん出来るなぁ。


という、シスコン全快な一面が働いているだけなのだが。


新たな冒険は、果たして彼らに何を与え何を奪っていくのか。


「おい! なんか見えたぞ!」


壮大な試練が待ち受けていることを、彼等は知る由もないのである―――






到着した場所は、港町であった。


帆船ではなくエンジンを積んだ大きな船が漁港に船舶しており、三人は物珍しそうに辺りを見回している。


どこに停めていいのかわからなかったので、他の船の邪魔にならないようにオレオが見つけた桟橋の近くに船を泊めて、アモール帝国の大地を踏んだ。


正確には大地ではなく、木製の桟橋なのだけど。
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