忘却の勇者
不機嫌そうにこそしているが、コーズはエクターの言葉をキチンと耳に入れていた。
二期生ってことは、こいつは下位のランクなのか。
勝手にそう判断。
新人で下位のランクのため、まだ一人での実戦投入はされていないのだろう。
帝都に三人の騎士。もう一人はわからないが……。
軍事最高司令官にして鉄血の十三騎士メンバー。
恐らくあの男が、四聖官と互角の力を持つという十三騎士の上位メンバーの一人なのだろう。
強いだけじゃなくて地位もあるとは、嫌になるほど完璧な男である。
「ところで僕達をどこに連れて行くんですか?」
「おー、もう着いたよ」
足を止める。
着いた場所は壁と同じ灰色の味気ない扉の前。