忘却の勇者
確証はないが勇者の勘をそう告げる。
仮に本当にただのド忘れだとしても、もしかしたら何か思い出している可能性もある。
いずれにせよ、アモス賢者と腹を割って話すときだろう。
聖剣のこと。魔王のこと。
そして、勇者という一族のこと……。
ケイの好意もあり、彼らも聖剣について独自に調査してくれることを約束してくれた。
さらになにかあった時のためにと、特別に基地内に空間転送の魔方陣を敷いてくれた。
コーズの遺品でもある魔具の一つだが、これを使えればどんなに離れてもこの基地に一瞬で移動することが可能になった。
これで心置きなくネシオル王国へ戻れる。
オレオとマリは長旅の支度を整えると、ケイ達に感謝を述べて一路祖国へと帰国したのだった―――