忘却の勇者
「なるほど、ネシオル王国からの内部リークか。だが、告発文にしては内容が壮大過ぎるな」
半信半疑。というよりかは疑心暗鬼といった感じだ。
ネシオル王国の暗号文なのだから、少なくともこの文章がネシオル王国の関係者が制作したのは確かだろう。
だがそれでも、この機密文書の内容が確かなものであるという証拠にはならない。
ただの悪戯か。情報を錯乱させる敵の罠か。
いずれにせよ性質が悪い。
「どうする」
「無視するわけにもいかないしな……。情報をリークした者を特定しよう。俺も独自に調査するが、なにかわかったらすぐに連絡してくれ」
今一度文書の内容を確認する。
「出来れば嘘であってほしいがな」
事の次第によっては、世界が変わることになる―――