忘却の勇者

「アモス様。僕達はもう一度アモール帝国に向かいます。もしかたら魔法陣の在り処がわかるかも知れません」


「そうか。では急いだ方が良いな。ちとキツイが儂の魔法でアモールまで転送しよう。それと……」


すっとアモスの前にレインが歩み出た。


背中に大きなリュックサックを背負った少年は、目元が垂れるほどの満面の笑みをしていた。


え、まさか……。


「レインを連れて行け。君達の役に立つはずじゃ」


その背中の荷物はそういうことか。


オレオは額を押さえて溜息をついた。


「アモス様のお孫さんならきっと凄い戦力になると思いますが、まだこんな小さい子供を戦場に連れて行くのは……」


「孫? 僕とアモス様に血の繋がりはないですよ?」


へ?
< 351 / 581 >

この作品をシェア

pagetop