忘却の勇者
「アモス様。僕達はもう一度アモール帝国に向かいます。もしかたら魔法陣の在り処がわかるかも知れません」
「そうか。では急いだ方が良いな。ちとキツイが儂の魔法でアモールまで転送しよう。それと……」
すっとアモスの前にレインが歩み出た。
背中に大きなリュックサックを背負った少年は、目元が垂れるほどの満面の笑みをしていた。
え、まさか……。
「レインを連れて行け。君達の役に立つはずじゃ」
その背中の荷物はそういうことか。
オレオは額を押さえて溜息をついた。
「アモス様のお孫さんならきっと凄い戦力になると思いますが、まだこんな小さい子供を戦場に連れて行くのは……」
「孫? 僕とアモス様に血の繋がりはないですよ?」
へ?