忘却の勇者
兵士達からは、明らかな殺意が滲み出ている。
少しでも変な動きを見せれば、奴らは容赦なく引き金を引くだろう。
レインはそのことをオレオに伝えようとしたが、ある男の登場に伝えそびれてしまった。
「あ、ケイ!」
二人の兵士に挟まれながら、奥の扉からケイが現れた。
これでこの状況もなんとかなる。
そう安心したオレオだが、ケイの険しい表情に少しばかり不安を覚えた。
なにかあったのかな?
一歩一歩距離を詰めるケイ。
彼はオレオの前に立つと足を止め、思わぬ行動に出た。
「……どういうこと?」
オレオの眉間に縦皺が寄る。