忘却の勇者
治安維持隊から謝礼を受け取ることはできるようだが、それもなけなしのお小遣い程度のもの。
主な資金源は盗賊の私物である武器や、盗難届けが出てなく返却された金品を質に出して売りさばいている。
だが危険なことに代わりない。下手をすれば命を失うこともある。
それでも義賊を続けているコーズを、村の人たちは影ながら応援していると、酒場の主人が聞いてもいないのに色々と教えてくれた。
コーズに連れられてたどり着いたギーノ村。
村に着いた途端コーズはこの馴染みの酒場に直行して、空腹のあまり気を失いかけているオレオのために適当に料理を注文し、薬草を商店の主人に手渡すためにオレオを置いて出て行った。
その後大量に出てきた料理を次から次へ胃袋に収め、オレオは見事に意識を取り戻した。
そして現在に至るというわけだ。
食後のデザートであるワッフルを口に含みながら、酒場の主人の話を聞くオレオ。
そういえばお礼の一言も言ってないことに気づくと、酒場の扉がふいに開かれた。
「おっいたいた」