忘却の勇者
「わーたよ。どの道オレも、お前も逃がすつもりだったし」
「え、ほんとに?」
「男と丸一日いて楽しいか? まじ勘弁だし」
ニシシッと笑うと、オレオも釣られて笑みを溢した。
「そうと決まれば、まずは仲間の救出だな」
「そういえば二人はどこにいるの?」
「嗚呼、地下の牢獄に幽閉されてる。とりあえず、オレオには一芝居うってもらうからな」
「一芝居?」
「ふっふっふっ」
口元に怪しい笑みを浮かばせながら、オレオとエクターの脱出作戦が決行されるのだった。
地下に続く階段を下っていくと、大きな鉄の扉が現れた。