忘却の勇者

「とんだ隠し玉を持ってるとはな。まさかお前……」


「あの噂ね。それが正解よ」


「“勇者の守人”勇者を匿っていた一族か。だが貴様らも勇者と共に滅んだはずじゃなかったか?」


「滅んだはずの勇者が生きているのよ。生き残りなど珍しくない」


「だろうな。だが一族の使命感に従っているのは大変立派だが、不死の身体になったところで俺を倒すことは出来ないぜ」


召喚中は術者と契約獣の精神が混同する。


肉体的な繋がりはないが、精神的に術者と契約獣は一心同体。


術者は契約獣に指示を出し、契約獣は術者の指示通りの動きをする。


その間術者は、他の魔術を発動することができない。


召喚術の最大の弱点はそこだ。


召喚中は術者はがら空き。いかに自分の身を守りながら敵を倒すか、術者の知恵と契約獣の連携が試される。
< 472 / 581 >

この作品をシェア

pagetop