忘却の勇者
「とんだ隠し玉を持ってるとはな。まさかお前……」
「あの噂ね。それが正解よ」
「“勇者の守人”勇者を匿っていた一族か。だが貴様らも勇者と共に滅んだはずじゃなかったか?」
「滅んだはずの勇者が生きているのよ。生き残りなど珍しくない」
「だろうな。だが一族の使命感に従っているのは大変立派だが、不死の身体になったところで俺を倒すことは出来ないぜ」
召喚中は術者と契約獣の精神が混同する。
肉体的な繋がりはないが、精神的に術者と契約獣は一心同体。
術者は契約獣に指示を出し、契約獣は術者の指示通りの動きをする。
その間術者は、他の魔術を発動することができない。
召喚術の最大の弱点はそこだ。
召喚中は術者はがら空き。いかに自分の身を守りながら敵を倒すか、術者の知恵と契約獣の連携が試される。